ニオイガメ

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ニオイガメの中級編

ハイレベルなテクニック

ニオイガメの中級編の情報を解説します♪
個人的偏見や一部引用もありますが参考にどうぞ…


●ソフトクーリング(繁殖機能の活性化と冬眠のリスク回避)について

繁殖を狙う上で、冬眠(クーリング)は重要な意味を持ちます。
自然下での温度変化を擬似体感させ、繁殖機能を活性化させる効力があるのですが、冬眠はカメには大きな負荷となります。
そこで繁殖目的ならばソフトクーリングの飼育方法も効果があります。
低活性状態を短期間体験させ、完全な冬眠状態にせずに元の水温まで戻す飼育方法です。
完全な冬眠状態の長期的危険を回避するための飼育方法と言えます。
つまり、通常の活性状態(水温24℃~30℃)から、ある程度水温を落とし、短期間だけ低活性状態を経験させるのですが…

ここで、どの程度まで水温を下げ、どのくらいの期間が必要なのか?が問題になってくると思います。
冬期のヒーター無しの室内飼育の水温変化のみで、十分ソフトクーリングになる…
という意見もありますが…

わたしなりの、手順としては…
・エサやりをやめる。(絶食を開始)
・1週間かけて20℃まで水温を下げる。
・2週間かけて15℃まで水温を下げる。(だいぶ動きが鈍くなる)
・1週間かけて10℃まで水温を下げる。
・2週間かけて25℃まで水温を上げる。(少しずつエサを与える)
・ソフトクーリング解除。
こんな感じで良いと思います。

一部生息地の完全に冬眠しない個体群にも、ソフトクーリングは有効だと感じます。

※完全冬眠と違い低活性状態だけなので、長期間実施しないで下さい。
(低活性の状態で完全冬眠と同じように長期間放置すると危険です)


●孵化温度による、子ガメの性別の産み分け(TSD)について

爬虫類の中には、孵化時の環境温度によって性別が決定する種類が知られており、この現象は、TSD(Temperature-dependent sex determination:温度依存性決定)と呼ばれています。

温度に依存した性の決定(TSD)という現象が、初めて発見されたのはそれほど昔ではなく、1966年の西アフリカに生息するトカゲをきっかけに、ヨーロッパの淡水カメや、地中海に棲むギリシャリクガメなどで報告されています。
すべての爬虫類の性が温度に依存するというわけではありませんが、概ね、調べられたすべてのワニ類、多くのカメ類、一部のトカゲ類で、この現象が観察されています。
しかし、ヘビ類では一例も観察されていません。

このTSDはニオイガメにも該当し、温度が26度で完全にオスが出現し、これより高低になるにつれメスの出現が増加し、23度より低くても、30度より高くても、完全にメスが出現すると言われています。

温度の違いが、どのようにして性の違いにつながるのか?
ある実験で、ワニなどの受精卵を雄が生まれるはずの温度で孵卵しても、雌性ホルモンであるエストロゲンを投与すると、胚は雌になってしまいました。
反対に、雌が生まれる温度で雄性ホルモンのアンドロゲンを投与すると、胚は雄になりました。
つまりホルモンで、胚の性は完全に逆転してしまったのです。
そこで注目さたのが、アロマターゼという酵素です。
エストロゲンとアンドロゲンは、同じステロイドという化学物質で、アロマターゼはアンドロゲンをエストロゲンに変換する働きをもっているのです。
この酵素の胚での活性を測ると、雄が生まれる温度では活性が低く、雌が生まれる温度では活性が高いことがわかりました。
このような結果や他の実験データを総合して、次のような仮説が唱えられました。

まず発生の初期に、遺伝的な性の型に関係なく、未分化な性腺でアンドロゲンが作られ始める。
雌産生温度では、それに加えてアロマターゼの遺伝子が発現し、できたアロマターゼがアンドロゲンをエストロゲンに変換、それが未分化な性腺を卵巣へと発育させて、雌の個体ができる。
反対に、雄産制生温度ではアロマターゼ活性化の遺伝子が働かず、アンドロゲンはそのまま働いて精巣ができ、雄の個体ができる。
これは、遺伝子の型に従い生殖腺の性が決定(精巣や卵巣が形成)される時期、概ね胚発生が18~30%に達した時点に、性ホルモンが関与している事になります。

この仮説が、温度感受性のすべての種にあてはまるかどうかはわかりません。
爬虫類といっても、温度によらず性が決まる種もたくさんあります。
しかし、温度による爬虫類の性決定は、環境と生物の相互作用という観点からも、とても興味深い内容だと思います♪


●カブトニオイガメとヒメニオイガメの外見的違い(腹甲板)について

よく、カブトニオイガメとヒメニオイガメは似ていると耳にしますが…

カブトニオイガメとヒメニオイガメの外見的な違いは、ヒメニオイガメは甲羅に緩やかな3本のキールがあるのに対して、カブトニオイガメは甲羅に1本の鋭いキールがあるのが特徴です。
しかし、この特徴もカメの成長とともに薄れていきます。

カブトニオイガメとヒメニオイガメの決定的な外見の違いは、腹甲の喉甲板の有無で見分けることが可能です。
腹甲板の肛門側から数えて6番目(首に一番近い)が喉甲板ですが、喉甲板が無いのがカブトニオイガメで、喉甲板があるのがヒメニオイガメです。

左の画像がカブトニオイ、右の画像がヒメニオイの腹甲です。
右のヒメニオイの腹甲には喉甲板があります。
カブトニオイガメとヒメニオイガメの違い


分かり易く腹甲中央の線を強調すると…
カブトニオイは腹甲中央の線が尻から首まで一本貫き、ヒメニオイは喉甲板のところで分かれているのが特徴です。
カブトニオイガメとヒメニオイガメの区別


●ヒメニオイガメ(ハナナガドロガメ)飼育におけるサルモネラ菌発生の有無について

※情報提供「potechiさん」

ヒメニオイガメとハナナガドロガメの飼育水から、サルモネラ菌が検出されるのか…
簡単に滅菌したキッチンタオルに、水槽の飼育水をしみこませて培地に入れ、実験開始です。
(左がハナナガドロガメ、右がヒメニオイガメ)
ニオイガメのサルモネラ菌

菌が繁殖してくると透明だった培地が次第に濁ってきます。
だいぶ濁ってますね…。
この培地には色々な菌が繁殖しています。
ニオイガメのばい菌

それでは、次の培地に移し替えましょう。
次の培地は、比較的サルモネラを選択的に培養してくれる培地です。
2種類の培地を用意。
左2つがヒメニオイ、右2つがハナナガ
ニオイガメの菌

更にDHLという選択培地に移します。
(左がハナナガ、右がヒメニオイ)
サルモネラだったら硫化水素を産生するので、培地上に黒いコロニーが出てきます。
ニオイガメの飼育水

左のハナナガの方は、黒いコロニーが出てきています。
これは、サルモネラのコロニーの疑いが強いです。
右のヒメニオイの方は、サイトロバクターという菌の特徴的なコロニーです。
ニオイガメのコロニー ニオイガメとサイトロバクター

最後に混合血清を混ぜます。
サルモネラがいれば、これを混ぜると菌が凝集します。
ハナナガの方は、画像のようにサルモネラ凝集が見られました。
分かりますか?白いカスみたいのが写ってるのが…
これは、ハナナガドロガメの水槽に、サルモネラがいる事になります。
ニオイガメの白いカス ニオイガメの白い菌

ヒメニオイガメの方には、結局サルモネラ凝集は見られませんでした。
サイトロバクターという菌の検出は確認できましたが、この菌は何処にでも見られる菌で人体にはあまり害は無いそうです。

結果としては、ハナナガドロガメにはサルモネラ菌が検出。
ヒメニオイガメには、サルモネラ菌は検出できませんでした。

しかし、飼育方法や国内ブリード物、現地採取物などの様々な条件により、結果は一概には言えないと思われます。
よってカメを触ったら、しっかりとした手洗いを怠らないようにしましょう♪


●カルシウム吸収のための日光浴における紫外線(中波長紫外線)について

一般にカメには日光浴、とりわけ紫外線を浴びせることが大切だと言われています。
ニオイガメは、紫外線要求が極端に低いカメなのですが、日光浴と紫外線の効能や特性について、まとめてみました。

太陽光における目に見えない光(波長400nm以下の不可視光線)が、「紫外線」と呼ばれており、波長ごとに次の3種類が存在しています。

UVA(長波長紫外線:波長320~400nm)

大部分が地上に到達し、曇天でもあまり到達量が減少しません。
ガラスを透過し、人間の場合は真皮に作用し内部を黒くします。
日焼けサロン等で使われており、長時間浴びた場合の健康被害が懸念されています。

UVB(中波長紫外線:波長280~320nm)

大部分が成層圏オゾン層に遮られます。
ガラスを透過せず、人間の場合は表皮に作用し皮膚が赤く腫れ上がります。
赤く日焼けしてヒリヒリするのはこの作用。
皮膚や眼に有害で、オゾン層の減少による到達量の増加が問題視されています。

UVC(短波長紫外線:波長14~280nm)

成層圏オゾン層に遮られ地上には到達しません。
細胞破壊をもたらす生命に有害な紫外線。
研究施設の殺菌灯などで利用されています。

この中で、カメの成長において最も意識すべきなのが、UVB(中波長紫外線)なのです。
UVBは、カメの成長に伴う骨や甲羅の形成に、重要な役割を担っています。
カメの体内のコレステロールは、熱によってデビドコレステロールに変化し、これにUVBが作用することでプロビタミンD3が生成されます。
プロビタミンD3は、血中に溶け出し肝臓に運ばれ変化し、さらに腎臓においてD3ホルモンとして血中に分泌されます。
D3ホルモンは、小腸においてカルシウムを血中に取り込み、取り込まれたカルシウムを骨(甲羅)に形成する役割を果たしています。
ちなみにUVAは脱皮、代謝の促進や繁殖、食欲の向上に効果があります。

このような理由からカメの飼育方法で、日光浴や紫外線ライト等に、どうしても神経質になってしまう傾向があり、それに加え間違った知識や飼育方法を実践している人も多いのです。

まず、日光浴についてですが…
注意する点として、ガラスやアクリル越しに日光浴をさせても、UVBはガラスやアクリルに吸収されてしまいます。
そして、日光浴と言うと「直射日光」をどうしても考えてしまいますが、UVBを得るための日光浴には必ずしも直射日光は必要ありません。
UVBは直射日光を基準にすると、うす曇りで8割、曇天や晴天時の日陰で4割程度を得ることができます。
これらのUVB量は人工照明に比べれば遥かに多く、「曇ってるから日光浴は意味無い」と考えるのは完全な誤解です。
日陰でも反射によってUVBは到達しており、直射日光が差さない室内でもガラス窓を開けていれば、乱反射によって射し込むUVBは得られるのです。
直射日光にこだわり過ぎてカメを熱中症にさせてしまう事も多く、日光浴は直射日光を避けて行うのがベストということなのです。
補足ですが、紫外線は太陽が真上に近付くほど地上への到達量が多くなります。
それは真上からの光は、オゾン層を最短距離で通過出来るからです。
斜めからの光はオゾン層を斜めに通過するため、通過距離が長くなり遮られる量が多くなります。
したがって一日では正午頃が最も多く、一年では6~8月が最も多い時期になります。
UVBはカメにとって必要な紫外線ですが浴び過ぎるのは有害ですので注意して下さい。

次に紫外線ライトについてですが…
最近では、爬虫類専用の中波長紫外線の出る蛍光灯が、各メーカーから市販されていますが、それらの使用の際にも注意が必要です。
水槽用の蛍光灯カバーには蛍光管を水から保護するために、照射面に透明カバーが付いているものがあるので、これは外す必要があるのです。
カバーがあるとUVBが吸収されてしまい意味が無くなってしまいます。
また水槽に蓋がある場合、蓋の上から紫外線ライトを照射しても、蓋にUVBが吸収されてしまい意味が無くなってしまいます。

最後に、一般の蛍光灯についてですが…
一般の蛍光灯の中にはアルゴンガスや水銀が入っており、スイッチを入れると水銀が蒸発して気体となり、電極から放出された熱電子が反対側の電極に向かって真空放電しています。
この時、熱電子がガラス管内で蒸発し気体となっている水銀電子に衝突し、この衝突により水銀電子が紫外線を発生します。
この紫外線が蛍光灯の内側に塗ってある蛍光体にぶつかって、可視光線を発生させ明るい光になります。
つまり蛍光灯とは、ガラス管内の低圧水銀蒸気中のアーク放電により発生する紫外線を、蛍光体で可視光線に変換する光源なのです。
この蛍光灯内部のエネルギーのうち、可視光線エネルギーが約20%、紫外線エネルギーが0~0.5%程度、蛍光灯外部に放射されると言われています。
(短波長紫外線UVCは蛍光灯のガラス管に吸収される)
蛍光灯外部に発する紫外線量は、太陽光はもちろん紫外線ライト等と比べても、はるかに微弱であり、中波長紫外線UVBのうちの290nm~295nmのみが、太陽光よりも若干多く放射されているという報告があります。
(最近は紫外線カット加工の蛍光灯も発売されているので一概には言えませんが…)
つまり、一般蛍光灯でも極めて微弱ではありますが、紫外線を発しているようです。

これら紫外線について総合的に判断して…
ニオイガメは紫外線要求が極端に低いカメですので、わざわざ紫外線ライト等を新たに購入してまで、紫外線について神経質になる必要は無いと思います。
(紫外線ライトが余っているのなら、利用するに越したことはありませんが…)
紫外線量については、一般の蛍光灯はもちろん比較になりませんが、専用の紫外線ライトでも太陽光に比べると、はるかに微弱であり、水底に潜むニオイガメに、微弱な紫外線ライトをいくら照射しても、水面下ではUVBは吸収され、その効果はほとんど期待できません。
上陸した個体に、ある程度の近距離から紫外線ライトを照射するなら効果も出ますが、ニオイガメは上陸をしない個体も多く、水から出る事を極端に嫌う個体も少なくありません。
何よりも強制的な上陸はストレスの原因となります。
それならば容器に極浅く水を張り、水面越しに偉大な太陽光を浴びせてあげる…
このような飼育方法を、思いついた時に適度に実施してあげれば十分だと思います。
浅い水中ならば熱中症も防げ、ニオイガメのストレスもある程度は防げます。


●LED照明の活用と水草(コケ)の関係について

小型で水棲傾向が強いニオイガメ。
熱帯魚感覚での飼育方法ができるのも、魅力の一つだと思います。
照明や水草を用いたニオイガメの飼育方法をしている人も多いのではないでしょうか?

LEDの普及により、水槽にもLED照明が利用されるようになってきました。
また省電力の観点からも、今後LED照明は益々普及されると言えるでしょう。
一般には、省電力であるLED照明の経済性ばかりが強調されて宣伝されていますが、水槽とLED照明を組み合わせる場合、覚えておかなくてはならない事があります。
特に水槽に水草を入れている場合は、以下の点について注意して下さい。

光には「スペクトル」というものがあります。
スペクトルとは、可視光を7色(虹の色)に分解した可視波長(380nm~780nm)です。
水草の成長には光合成が不可欠なのは、ご存知だと思いますが、この光合成が必要とする光の波長が重要なのです。

波長:600~660nm(赤色)

光合成に最も重要な波長域。

波長:500~600nm(黄色)

人は最も明るく感じるが光合成効率の下がる波長域。

波長:400~500nm(青色)

光合成作用において赤色の次に重要な波長域。

そして照明用の白色LEDですが、現在、主に3種類が生産されています。
・擬似白色LED(青黄色系擬似白色LED)
・高演色白色LED
・3色LED方式による白色発光

擬似白色LED(青黄色系擬似白色LED)

現在主流の照明器具用LED。
青色発光ダイオードに黄色の蛍光体を組み合わせて発光し、人間の網膜では白色光に錯覚する性質を利用。
人間特有の「光の感受性」を利用して、より強い明るさを表現。
それにより、低価格で白色表現を実現でき、近年の低価格化も激しい。
人間の視覚には、消費電力に比べ大変明るく感じる。
しかし、赤色波長(600~660nm)が少ないため、水草の光合成は向かない。

高演色白色LED

上で述べた擬似白色LEDは赤色系の発色が悪い。(赤色の物を綺麗に映せない)
よって青色発光ダイオードに黄色と赤色の蛍光体を組み合わせ赤色の発色を改善。
少し高価格な照明器具用白色LED。
擬似白色LED同様、人間の視覚には消費電力に比べ大変明るく感じる。
青色成分(400~500nm)を多く含むが、赤色成分(600~660nm)はやや少ない。
水草の成長速度は少し遅くなるが、光合成は維持できる。

3色LED方式による白色発光

光の三原色である赤色・緑色・青色のLEDチップを組み合わせて白色発光させる方法。
人間の視覚には、消費電力の割に暗く感じ、価格は高価。
水草の光合成に重要な赤色波長(600~660nm)を多く含み、水草は抜群に育つ。

上記の特性から、ニオイガメ水槽で水草にLED照明を用いる場合、「高演色白色LED」が価格と特性で一番無難な選択。という事になりそうです。
高演色白色LEDでも、水草の成長は遅くはなりますが、それなりに水草は育ちます。
そもそもカメ水槽に入れる水草ですから、それなり程度のレベルでOKだと思います。
逆に本格的な水草水槽を維持するには、高価な3色LED方式がお勧めと言えます。
人間の錯覚を利用した擬似白色LEDは、水草の光合成には不向きと言えます。

では、水草がないカメのみの水槽では、擬似白色LED照明でOKでは?
という疑問が生じます。

しかしここで問題となるのが、紅藻類(黒髭ゴケ)や藍藻類です。
これらは一般にコケと呼ばれ、擬似白色LED照明の500~600nm(黄色)の波長は、紅藻類(黒髭ゴケ)や藍藻類の発生の最大の原因となるのです。
人間の「視覚」は、大体550~560nm の波長が一番明るく感じる性質があります。
この人間特有の「光の感受性」が、現在の照明には広く普及していて、当然、最近の蛍光灯やLED照明も、この人間特有の「光の感受性」の錯覚を積極的に利用し、省電力で最大限の明るさを実現するよう設計されています。
つまり広く普及している擬似白色LED照明は、コケが求める波長と同じなのです。

省電力で経済的なLED照明…
何も知らずに光合成に不向きな550nm~560nmのスペクトル光を、一生懸命に水草に照射して、水槽をコケだらけにしてしまった…
なんてオチは避けたいものですね。

このように考えると、照明(スペクトル)と水草とコケの深い関係が分かると思います。
水槽のレイアウトをする場合、飼育方法の参考にしてみては如何でしょうか?


●交尾行動後の産卵期間と精子生存期間(遅延受精・多父系現象)の関係について

ニオイガメは、交尾行動(受精)が無くても、無精卵を産むことが知られています。
つまり成熟したメスはオスの存在が無くても、無精卵を産むわけです。
よく質問に出てくるのが「交尾後どのくらいの期間で産卵行動を始めるか?」ですが、上述の理由から大げさに言えば、たまたま交尾した次の日に、無精卵を産むタイミングが来ることもあるのです。
よって、一概に交尾後の有精卵の産卵期間を求めることは難しいと思います。
ニオイガメの卵
また、交尾行動があっても、無精卵が産まれることも多々あります。
なので、最終的には産卵後の卵をよく観察し、有精卵の特徴である、部分的に殻が白濁し、それが帯状、そして全体への広がり…で判断することになります。

産卵周期は早いメスで約1ヶ月間です。
ニオイガメは交尾後、メスの体内でオスの精子が長期間、生存可能だと言われており、1回の交尾で数クラッチをまたぐ有精卵を産むことができるのです。(遅延受精)
また、複数のオスとの交尾がある場合、その精子の生存期間が長いことから、メスの体内に複数のオスの精子が生存し、1回の産卵に複数の父親の卵ができてしまいます。
これを多父系現象と言い、一度に産まれた兄弟で父親が違うと言うことになります。

カメは変温動物なので、自分で体温調整ができません。
よって外部的要因により体温が変化し、それによって体の活性に変化が生じます。
また、エサの頻度・内容についても同じことが言えます。
適温・適餌では、最速で体の成長・活性化が望めますが、それより外れるにしたがって体の成長・活性化が遅くなります。
そのため、交尾行動後の産卵期間には大きな差が生じる事となります。


●ニオイガメと熱帯魚等との混泳(同居)による危険性について

ニオイガメは小型で水棲傾向が強く、魚感覚での飼育方法ができるのも利点です。
そのような利点から、熱帯魚等と混泳させている人も多いのではないでしょうか?
また水槽内の掃除役として、魚類を同居させている人も多いと思います。

ここで注意したいところは…
1. ニオイガメは雑食傾向が強く、同居の生物を捕食してしまう懼れがとても強い。
2. カメが同居の生物を捕食する事によって、カメ自身に危険が生ずる。
という事です。

1の場合は安価な生物を同居させ、割り切った飼育方法をするしかないのですが…
2の場合はちょっとした飼育方法の注意が必要です。

私が把握している同居が危険な種を挙げてみますと…

・コリドラス

・オトシン

・プレコ

・アカザ

・淡水ふぐ(アベニーパファー等)

・淡水エイ

・淡水カサゴ

などが該当します。

その理由は…
コリドラスは、胸鰭に毒があると言われています。
コリドラスを素手で触ると、胸鰭が刺さり痺れることもあります。
種類にもよると思いますが、毒や刺さり易い胸鰭はカメにはちょっと心配です。
実際コリドラスを食べたカメが死んだ、という話も稀に聞きます。
アカザの背鰭と胸鰭・淡水エイの尻尾・淡水カサゴの背鰭にも毒があるそうです。
淡水ふぐのアベニーパファー等にも毒があるという噂です。
真偽の程は分かりませんが、小型でも立派なふぐなので、毒があると考えても不思議ではありません。
オトシンは毒はありませんが、鰭棘という棘があり、下手な食べ方をすると、この棘が喉に引っかかります。
実際ニオイガメがオトシンを食べた直後、苦しそうにもがきはじめ、やっとの思いで、吐き出した姿を目撃した事があります。
プレコは口が吸盤状のヤスリのようになっており、その口で苔などを削るようにして食べています。
流木がボロボロに削られることからも、そのヤスリ状の口の強力さが分かります。
当然カメの甲羅にも吸い付き、やがてカメの甲羅はプレコのヤスリのような口で、ボロボロにされてしまいます。

もちろん、このような生物とニオイガメを同居させていても全く問題無い飼育方法をしている人もいます。
ニオイガメは肉食傾向がたいへん強いのですが、カメに比べれば魚類等の方が圧倒的に泳ぎが上手いので、捕食できない場合もありますし、捕食したとしても上手く食べている場合もあります。
しかし、上記のような生物と同居させて、カメを死なせてしまったという話を耳にするのも現実です。
よって、カメ以外の他の生物との混泳水槽を望んでいる方は、このような点を踏まえた飼育方法を実施してみてはいかがでしょうか。


●ワシントン条約(CITES:サイテス)と特定外来生物被害防止法について

インターネットなどで、ワシントン条約やサイテス、特定外来生物被害防止法等の言葉を目にする機会が多いと思います。
一見難しそうな言葉なので、どうしても倦厭してしまいがちですね♪
これらについて、簡単に説明してみますと…

まず、(CITES:サイテス)とは、ワシントン条約のことを意味し、「絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約」のことです。
"Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora"の頭文字を取ってCITES(サイテス)と呼ばれています。
国際取引などを規制しており、1975年に採択され、約150ヶ国が加盟、約3万種がリストアップされています。
絶滅の恐れのある野生動植物は、レッドデータアニマルズとも呼ばれます。
日本は1980年に締約国となり、種の保存法により国内取引を規制しています。
絶滅のおそれがあり、保護が必要と考えられる野生動植物は、サイテス付属書Ⅰ、サイテス付属書Ⅱ、サイテス付属書Ⅲに分けられ、数字が低い程、規制が厳しくなります。

サイテスⅠ

絶滅の恐れがあり、商業取引(販売目的の輸出入など)を、原則として禁止する種類。
輸出国と輸入国の許可がなければ国際取引はできない。
(商業目的の取り引きは禁止。学術研究目的の輸出入は許可書などが必要)

サイテスⅡ

現在必ずしも絶滅の恐れがあるわけではないが、取引を厳重に規制しなければ絶滅の恐れがある種類。
輸出する国の許可を得れば、商業取引を行うことができる。

サイテスⅢ

その生物の生息する国が、自国の生物を守るために国際的な協力を求め、採取または捕獲を防止および制限するための規制をした種類。
その国と取引をする場合には、その国の許可を受ける必要がある。

日本は、ワシントン条約で取引が制限されている野生生物をたくさん輸入しており、特に多いのがバッグや財布など爬虫類の皮を使った製品で、生きている植物・鳥・爬虫類の輸入も多く、鳥・リクガメなどの輸入量は世界一とも言われています。
もちろんワシントン条約を守って、正しい手続きをした上で輸入された数ですが…
しかし最近、珍しい動物をペットにする人が急増しています。
珍しい生き物を欲しがる人がいれば、必ず条約に違反して密輸をする人が現れます。
密輸品はますます貴重なものとなり、とても高く売れるからです。
こうした状況が、密輸だけでなく、密猟をも引き起こしてしまうのです。

ちなみにリクガメの全種が、サイテスⅠかⅡに指定されています。
そう考えると、そのうちミズガメも…

補足ですが…
最近では、このサイテスの規制を逆手にとり、希少性をネタに価格を異常に吊り上げるショップもあります。
本来の趣旨を理解し、悪どい商売法に惑わされないようにすることも大切です。
価格や希少性に釣られての安易な行動も避けて下さい。

次に特定外来生物被害防止法ですが…
特定外来生物とは、在来種の捕食やエサの競合などによる生態系の被害、人命・身体への被害、食害など農林水産業への被害を及ぼす外来種生物のこと。
選定は、環境省で哺乳類・鳥類、は虫類・両生類、魚類、昆虫類、無脊椎動物、植物の六部門で専門家グループが協議し選定されます。
特定外来生物に指定されると、飼育、栽培、輸入、運搬、譲渡、保管、野外へ放すことなどが禁じられます。
つまり完全にその生物に関わることができなくなることを意味し、違反者は法人で最高一億円の罰金、個人で最高三年以下の懲役または三百万円以下の罰金となります。
国や地方自治体は、野外に生息している指定種を防除(駆除)できます。

サイテス、特定外来生物の個々の該当種については数も多く、入れ替り等もありますので、ここではあえて列挙しませんが、ニオイガメは今のところ、いずれにも該当しておりません。
しかし、いつ規制されてもおかしくないと言っても過言ではないでしょう…


●ニオイガメの巨頭化の要因(仮説)に関する考察について

一般にミシシッピニオイガメを除くニオイガメ属では巨頭化する個体がおり、ニオイガメの巨頭化を狙っている飼育者は多いと思います。
この巨頭化については幾つかの説があり、生息地や遺伝など、いろいろな要因が唱えられています。
ここでは、その一つを紹介したいと思います。

一般的には、巨頭化にはタニシ等の巻貝が有力だと言われています。
では、どうしてタニシ等の巻貝が巨頭化に関係してくるのでしょうか?
その理由は、巻貝を噛み砕くことに巨頭化が起因していると言われています。
貝類の身そのものに頭部だけを巨大化させる養分があるというのは不自然ですし、貝類の殻のカルシウム分も合理的にはカメに摂取されておりません…
捕食後の殻は、ほどんどが砕かれたままか、消化されず糞に残っています。
それならばエビや煮干のほうが、よっぽど合理的にカルシウムを摂取できます。
よって、巻貝を噛む行動自体に巨頭化の要因があると考えられています。
巻貝は硬い貝殻を持っており、尚その強度を増す為に球状をしています。
この球状の物体は、潰すには相当の力を要します。
ニオイガメはこの硬い巻貝が大好物です。
当然、砕けない大きさの巻貝を砕こうとする時もあるでしょう…
例え砕くことができず巻貝を食べられなくても、砕こうとして顎を極度に使用することによって、著しく顎を含む頭部が発達すると一般的には言われております。
このような点を意識した飼育方法をしてみると、カメの巨頭化が狙えるかも知れませんね♪

ニオイガメの巨頭化

●ニオイガメの多頭飼い(複数同居飼育)における留意点について

ニオイガメは小型ゆえに水槽内で多頭飼い(複数同居飼育)をさせたい…
そんな飼育方法を望む人も多いのではないでしょうか?
しかし、ショップや書籍ではリスクに対する責任回避の為に安全策をとり、口を揃えて単独での飼育方法が望ましいと言われております。
確かに、ニオイガメは小型ですが見た目によらず排他性が強く、他個体に積極的に噛みつく個体も少なくありません。
そのため単独飼育をし、交尾をさせる時のみ同居させる飼育方法が基本となります。
では、何とかして複数同居飼育の危険を減らす飼育方法は無いのでしょうか…?
ここでは、ニオイガメの多頭飼いの留意点について述べてみたいと思います。

まず、レイアウトの問題ですが…
コツとしては、水深を深くした飼育方法が良いです。
水深を深くして流木やレンガ等を入れ、カメが上下の立体運動ができるように、レイアウトを工夫することで、カメ同士の喧嘩の機会を減らすことができます。
水深が浅いと、カメが平面運動しかできないので喧嘩の機会も増加し、かなりの確率で手足を他のカメに齧られます。
平面積が小さくても立体運動ができれば、ある程度喧嘩は避けられますし、水量が多ければ、そのぶん水の汚れも穏やかになります。
入れる流木等が大きすぎても逆に水槽内が狭くなってしまうので注意が必要ですが…

次に、雌雄の組み合わせの問題です…
ニオイガメのオスは性的に成熟するとオス同士、激しく争う傾向があります。
多頭飼いの場合、雌雄の組み合わせも注意すべき問題となります。
具体的に例を挙げると…

ニオイガメ2匹飼いの場合

オス1匹+メス1匹、またはメス2匹の飼育方法が理想です。
(成熟したオス2匹の組み合わせは、激しく争う傾向があるのでNGです)

ニオイガメ3匹飼いの場合

オス1匹+メス2匹、またはメス3匹の飼育方法が理想です。
(成熟したオス2匹+メス1匹の組み合わせは、オスがメスを奪い合う為にNG。オス2匹のみより危険です)

ニオイガメ4匹以上の場合

オス1匹+残り全てメス、または全てメスの飼育方法が良いでしょう。
(とにかく成熟した複数のオスをメスの中に入れるのは争いのもとなのでNG)

また、成熟した雌雄ペアの中に成熟していないメスを入れても、オスが成熟していないメスに攻撃を仕掛ける場合も多いです。

以上の事を踏まえ…
ニオイガメは単独飼育が基本となりますが、どうしても多頭飼いをする場合、私としては、深い水深の中でオス1匹+メス2匹くらいの飼育方法が良いと思います。
オス1匹にメスを複数入れる事で、繁殖の期待も高くなりますし、発情したオスの求愛行為からのメスのストレスも減少できると感じます。

発情したオス同士の争いを招くような多頭飼いの飼育方法は避けること…
これがニオイガメの多頭飼いのコツだと感じます!
(まぁ、こんな理屈が通じる程、ニオイガメの喧嘩は甘くありませんが…)

ちなみに、ニオイガメを一匹のみで単独飼育したい…
という場合、メスよりもオスの単独飼いをおすすめします♪
メス特有の
・産卵前の拒食。
・陸が無い事により産卵を躊躇して卵詰まりが起こる危険性。
・水中産卵(かなりの確率で卵は破壊)による飼育水の汚れや水換え。
これらはオスよりも若干ですが手間が掛かる現象です。
そしてニオイガメはオスの方が、比較的小柄ですので小型水槽にはマッチします。
ニオイガメの単独飼育を楽しみたいならば、オスを選ぶというのも一つの手ですね♪

ニオイガメの多頭飼育

●甲羅に付着した汚れ(コケ)の除去方法の注意点について

ニオイガメは水棲傾向がとても強く、日光浴の機会が極端に少ないカメと言っても過言ではありません。
日光浴には、甲羅を乾燥させる事で殺菌作用を期待する効果もあります。
当然、日光浴が少ないニオイガメの甲羅には、汚れやコケ等が付着し易くなります。
みなさんは、甲羅に付着した汚れやコケはどのように除去していますか?
ここでは、甲羅に付着した汚れやコケ等を除去する際の注意点を述べたいと思います。

よくネット等で甲羅の掃除は歯ブラシ等でゴシゴシ擦るという表現を目にします。
しかし、甲羅をブラシで擦るという飼育方法はちょっと危険なのです。
カメの甲羅は、成長の過程で成長線というものが現れます。
成長線とは、甲羅の継ぎ目にできる軟らかい組織体の事を言います。
この甲羅の軟らかい組織体は次第に硬化する訳ですが、できたばかりの軟らかい成長線をブラシ等で擦って傷つけてしまうと、後の甲羅の成長や形そのものを変形させてしまうおそれがあります。
よって甲羅を擦る時は、この成長線に注意しなくてはなりません。

次に、甲羅に付いたコケには酢が有効だという表現もよく目にします。
木酢液や食酢をコケの付いた甲羅に湿布して、付着したコケを枯らす方法です。
酢には、殺菌・消臭効果があると言われており、アクアリウムの世界ではよくコケの予防・除去に使われています。
この酢を甲羅に塗る飼育方法もちょっと危険です。
まずはカメの甲羅について説明してみましょう。
カメの甲羅は簡単に言うと…

・外側が角質甲板層
・内側が骨甲板層

となっています。
この2つの層が継ぎ目をずらす事で、甲羅の強度を上げる工夫がされている訳です。
甲羅の外側の角質甲板は角質が成分で、硬タンパク質の一種だと言われています。
甲羅の内側の骨甲板は骨が成分で、カルシウムやリンが主だと言われています。
酢は、この内側の骨甲板のカルシウム成分を溶かす恐れがあるのです。
酢は強い酸性を示し、酸は炭酸カルシウムを溶かすと言われています。
卵の殻を食酢に漬けておくと溶けてしまうという実験もあるほどです。
これは、酢が炭酸カルシウムを酢酸カルシウムと二酸化炭素、水に分解するからです。
酢酸カルシウムは水に簡単に溶けてしまいます。
(CaCO3 + 2CH3COOH → (CH3COO)2Ca + CO2 + H2O)
また、木酢液は酸度が強く、市販品も濃度は様々なようです。
甲羅の外側はタンパク質である角質甲板で覆われていますが、傷や何らかの原因で酢が内側の骨甲板に達する場合も考えられます。
よって、酢を甲羅に湿布する行為も有益であるとは言い難いと感じます。

上述からも甲羅に付着した汚れやコケを掃除する際は、硬いもので擦ったり、酢を利用するという飼育方法は避けた方が良いでしょう。
できれば、甲羅はやわらかい布で軽くこするなどした飼育方法が無難だと言えます。


●配合飼料の有用性と副食のバリエーションに関する(個人的)考察について

エサは日常的に与えるものだけに、カメの健康には直接影響を与えます。
自然での豊富な栄養源から隔離されたカメを、健康的な飼育方法ができているのか?
ニオイガメの飼育方法にあたって、エサの不安を抱えている飼育者も多いと思います。
私も飼育者の一人として、飼育方法に疑問に思うところが強いのも正直な気持ちです。

そこでまず栄養面について考えるなら、カメ専用の配合飼料が一番安心だと感じます。
特に大手のメーカーなら、それなりに研究もしているので頼り甲斐もあります。
しかしカメ専用の配合飼料を、単一で与え続けるという飼育方法も不安が残ります。
よって個人的には主食として、カメ専用の配合飼料で栄養面をキープしつつ、副食としてエサの硬さや形状等にもバリエーションを持たせて与える事が最適だと感じます。

例えば鯉用の配合飼料などは、結構硬度があり粒も大きいものが多いので、ニオイガメもバリバリ音を立てて砕いて食べてくれます。
カメ用の配合飼料は消化面を考慮してか、水を含むとスポンジ状になってしまうので、顎が丈夫なニオイガメには、積極的に硬いエサも与えてやりたいところです。
(もちろん、できればタニシとか貝類を与えてあげれば尚良しですが…)
また大きめの煮干は、噛み切るという動作が必要になってくるので、噛み切って食べるという動作的にも良いバリエーションのひとつになると思います。
自然下では当たり前の、砕くとか噛み切るとかの動作も、飼育下では意外と縁が無くなってしまいがちですから…
またヌマエビや小魚等の活餌も、その捕食時には配合飼料では見る事のできない捕食の素早さを垣間見る事ができます。
その狩りの様子を見ると、カメにはある程度の野生味も失われないで欲しい…と勝手な願いも込めてしまいます。

逆に、下手な生餌や肉類等を素人判断でローテーションして主食にする事により、栄養面で間違いを犯してしまい、カメの健康を害してしまう飼育方法もあります。

例えば生餌の一つに、ミルワームがあります。
当然、生餌のバリエーションの一つとして与えるには有用なエサです。
しかし、安いエサ用として雑に管理され、栄養価があまりよくないものもあります。
通常それは、おがくず(ふすま)に入れて飼育されているのですが、体内のリンの比率が高く、カルシウムの含有量が非常に低い状態となっています。
これを副食の域を超えて与え過ぎるとカメの健康を害してしまいます。
リンは過剰摂取をすると、カメの血中のリンイオン濃度が高くなり、それによってカルシウムイオン濃度が下がり、体内でバランスを取るために、骨や甲羅の中にあるカルシウムが溶け出してしまうのです。
(これを、カルシウムパラドックスと言います。)
甲羅を抱えるカメにとって、栄養面でのカルシウム不足は致命的です。
自然下ではリンとカルシウムの摂取バランスは、極端には偏る事は無いのですが、飼育下での下手な生餌の多用が栄養面での仇となる飼育方法の一つです。
(これを防ぐため生餌に栄養を食させてから間接摂取させるガットローディングや、生餌の表面に栄養を塗したりするダスティングを実施する飼育者もいます。)

このような例を参考に、カメ専用の配合飼料を主食に栄養面を安定させつつ、その栄養面を犯さない範囲で、副食のバリエーションとして、エサの硬さや形状に視点を置いた飼育方法をしてみてはいかがでしょうか?


●ニオイガメの呼吸(酸素吸収)方法と冬眠時の息継ぎの減少について

水棲傾向が強いニオイガメは、陸に上がる機会も少なく、水中から出される事を極端に恐れる個体も多いと思います。
そのため、冬眠時でも陸に上がる事なく水中で越冬し、長期間息継ぎもせず、じっとしている事があります。
飼い主としては、息継ぎもせずに死んでいるのではないか…
と心配になる事もあるのではないでしょうか?

実はニオイガメは、息継ぎとは別に酸素を取り込む機能があるため、冬眠時は息継ぎをしなくても呼吸はできているのです。
ニオイガメは通常、我々と同じく肺で呼吸を行うため、水中でも水面から鼻先を出して呼吸をしています。
しかし水棲傾向が強いニオイガメには、咽から食道にかけての内面にヒダ状の組織があり、このヒダ状の組織には、毛細血管が密に分布しているため、口で水の出し入れをすることにより、水中に溶けた酸素を直接体内に取り込む事が出来るのです。

もちろん肺呼吸での酸素吸収に、必要な酸素の大部分を頼っているため、暖かい時期の活性時には息継ぎをしないと酸素供給が間に合いません。
しかし冬眠時の低活性時は、息継ぎによる肺呼吸をしなくても、このヒダ状の組織からの酸素吸収で呼吸が維持できるのです。
また、通常時においても肺呼吸と併用する事で効率的な呼吸を維持しています。

補足ですが、ニオイガメが水中でアクビのように口を大きく開けて、しばらくじっとしている姿を見かける時があります。
ワニガメ等には口を開けて口内にあるミミズに似た形状の物体を動かし、エサと勘違いして近寄って来た小魚を捕食するルアーリングという行為がありますが、しかしニオイガメの大きく口を開けじっとしている行為は、ルアーリングよりもむしろ、積極的に口から水を出し入れすることにより、肺呼吸と併せて効率よく酸素供給をしているのかも知れませんね♪


●ニオイガメの皮膚病予防と落ち葉(流木)の効能について

ニオイガメは水棲傾向が強く、日光浴をあまり好まない個体も多いと思います。
しかし日光浴には、皮膚病から体を守るという大切な効果も知られています。
太陽光の殺菌作用と乾燥作用が、皮膚病の予防にもなるのです。

皮膚病の主なものに水カビ病があります。
その原因は、水中にサプロレグニアとかアクリアといった水棲菌が繁殖する為です。
これらの菌は一般にあらゆる水場に存在しており、カメに傷があったり低水温時など抵抗力が落ちていたりすると寄生し、繁殖します。
健康なカメならば心配ありませんが、一度発症すると厄介で完治しにくい病気です。
予防や治療法は、一般的には乾燥が効果的だと言われています。
日光浴を好む種のカメは、普段から日光浴でこうした菌から体を守っております。

ニオイガメは、日光浴をしなくても比較的皮膚病には強いと言われておりますが、それでもニオイガメが皮膚病とは全く無縁という事ではなく、飼育方法によってはニオイガメでも皮膚病を発症させてしまうケースも散見されます。

水棲傾向が強く、日光浴を好まないニオイガメ…
では、このようなニオイガメの皮膚病予防は、どのような飼育方法が良いのでしょうか?

実は、日光浴以外にも皮膚病に効果的なものがあるのです。
それは樹木や葉に含まれている、タンニンやアクといったものです。
特に、どんぐり、桜、くぬぎといった種類の落ち葉が効果的です。
例えば、これらの木の落ち葉を水に沈めるだけで、皮膚病には効果があるのです。
もともと、皮膚病に弱いイシガメ、クサガメの池にはこれらの落ち葉は必需品です。
毎年、冬眠時に水カビに悩まされたイシガメが、その池に落ち葉を入れた事によって、水カビ病が皆無になったという話がある程です。
そのタンニンやアクにより水質が向上し、水棲菌の繁殖を抑えてくれます。
また、亀の皮膚にも非常に良いとされており、水棲菌を抑制するバクテリアを繁殖させる効果もあるのです。
(ウルシやクスノキ、ハゼの木などは毒性があるので注意が必要です。)

普段から日光浴の機会が少ないニオイガメの皮膚病予防…
厄介な皮膚病に陥る前に、これらの落ち葉を有効活用してみては如何でしょうか?

ただ室内の水槽飼育には、落ち葉はちょっと見栄えも悪く抵抗ありますよね…
そんな時は、濾過槽などに落ち葉をこっそり入れた飼育方法も効果的です。

また、落ち葉だけでなく樹木そのものにもタンニンやアクは含まれていますので、これらの木の流木を使って水槽をレイアウトする飼育方法も一つの手ですね♪

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